ALL
コラム
特集
特集 | feature
ARGIS 2019 SPRING & SUMMER EXHIBITION

特集 | feature
ARGIS 2019
SPRING & SUMMER EXHIBITION
STYLING BY TATSUKI ITAKURA
ARGIS 2019 Spring & Summer Collection “MIRROR”のスタイリングを手がけた板倉龍城氏。
EXHIBITIONでは、多様なコレクションの中から板倉氏が一足をセレクトし、スタイリストとして自由に、独自の世界観を表現しました。
COLLECTIONでは、“MIRROR”で撮り下ろした11種のスタイリングについて、そのポイントやトレンドの取り入れ方を解説します。
ARGIS meets TATSUKI ITAKURA
スタイリスト板倉龍城氏が提案
ARGISのキャパシティが可能にした、
ルールを無視したスタイリング
バックパッカーとしてアジアを周遊したり、ヒッチハイクで山奥のレイヴへ出かけたり、ロンドンやパリで作品を撮りためたり、京都で建築を学んだり。ファッションという垣根を超えて、さまざまな遊びやカルチャー、そして人にふれ、その経験をスタイリングに生かしてきた板倉龍城(Tatsuki Itakura)さん。
彼の実体験と知識のゆたかさを物語るように、鮮やかなポップから、上品かつ先端的なモードまで、手がけるスタイリングは自在で、見る人の心に強い印象を残します。



左から)01:MEETS
02:HEPFIVE / FIVE SENSE -IN THE PINK
03:Instagramでも独自の世界観をつくりあげ、フォロワー数は2.2万人を超える
そんな板倉さんに、ARGIS 2019 Spring & Summerのコレクションから好きな一足を選んでもらい、思いきり自分らしくて自由なスタイリングを組みあげてもらいました。
ARGISは、許容度の高いブランド。
だから、思いきり遊べる
今回、ARGIS 2019S/Sのラインナップをご覧になって、どんな印象を受けましたか?
クラシックなスタイルを追求しているブランドだなという印象を受けました。でも、ソールにホワイトを使ったりして“今風の快活さ”を取り入れているということもすごく感じました。
すべてをクラシックでまとめるのではなくて、ソールの効かせ方であったり、ラギットな汚れ具合の出し方であったり、Free&Easyな世界観も感じさせたりと、目の前に並んだコレクションを見た時に、「こんなにさまざまなスタイルがあるんだな」と多様性を感じましたね。

EXHIBITIONの撮影のために選んでもらった一足は、「SHINY LEATHER SLIP ON」になります。数ある中から、なぜこの一足を選んだのですか?
どんなに難しいスタイリングをしても受け入れてくれる。そんなキャパシティの広さを感じたんです。アメリカンテイストでも、ヨーロピアンでも、モードでも、カジュアルでも、トラッドでもはまる。すごく許容度が高い革靴だと思います。
コレクションの11スタイルの中にも、この革靴を使ったスタイリングがありますが、たしかに同じ革靴なのに、まったく違うテイストですね。
そうなんです。どのゾーンでも合わせられるので、ここをベースに思いきり遊ばせてもらおうと考えました。

2019S/S Exhibition
2019S/S Collection
光沢×光沢、ナイロンパンツ×革靴。
ルールを無視した、
挑戦的なスタイリングを。
スタイリングで意識されたポイントを教えていただけますか?
近年のモードファッションの傾向として、「ルールを無視する」という潮流が生まれています。僕ももともとモードが好きですし、「自分らしさを出してほしい」というオーダーを受けたからには挑戦的なことをしたくて「既存のルールを無視するスタイリング」を考えました。
既存のルールを無視する?
まず、何が挑戦的で型破りかというと、光沢に光沢をあわせたところですね。ハットも光沢感のあるハットで、シャツも、ナイロンパンツも、そして革靴も、すべてに光沢感がある。奇しくも、撮影に使われたミラーも光沢です(笑)。そんな光沢のコーディネートが、砂丘のサンドカラーという幻想的な世界の中に浮かび上がっています。
本当に幻想的で、どこかSFの世界のようですね。
シャツにナイロンパンツという異素材をあわせてしまうのも、既存のルールの枠外にある発想です。ふつうシャツにはスラックス、カジュアルなところだとデニムかチノパンを持ってきますよね。そこにナイロンパンツをあわせる。しかも、ナイロンパンツに革靴という組み合わせです。

トレンドの淡いカラーリングを取り入れ、
上品なブラックレザーを際立たせる。
ルールを無視するという、モードファッションの潮流を踏襲しながら、今トレンドになりつつあるペールカラーという流行色も取り入れています。仮に、ボトムスがもう少しきついピンクだと、そこに目がいってしまう。ARGISの世界観も大切にしながら、シンプルで上質なブラックレザーが際立つような淡いカラーリングを構築しました。
撮影現場の感想についても、一言いただければと思います。
砂丘でのロケということで、とても楽しみにしていました。撮影当日は、空模様の変化が激しく、一日で全天候を経験しました。もっと過酷な遊びをしてきたから平気ですけどね(笑)。休憩中も休むのがもったいないくらい楽しくて、ずっと動き続けていました。

スタイリストとして現場で大切にしていることはありますか?
やはり、みんなが楽しく仕事ができることです。スタイリストこそ、カメラマンさんよりも、ヘアメイクさんよりも現場全体の盛り上げ役になって、雰囲気を上げていくことが大切だと考えています。
実際にスタイリングをされてみて、ARGISのレザーシューズをどのように感じましたか?
やはり、どのようなテイストでも受け入れてくれる間口の広さが魅力だと思います。僕がやっているようなモードのスタイリングもはまれば、トラッドなアメリカン・カジュアルもはまる。今回スタイリングを組んでみて、改めてそう感じました。それはたぶん、靴に品があるからだと思うんですね。僕も品のあるスタイリングを大切にしていますので、そういうところを感じてもらいながら、このスタイリングを楽しんでもらえたらうれしく思います。
ARGIS 2019 SPRING & SUMMER
COLLECTION
「トレンドを取り入れるためのポイントは、大きく3つ。『サイズ感』『カラーリング』『小物づかい』です。
これらをうまく組み合わせることで、今の空気感をまとえるはずです」と語るスタイリストの板倉龍城氏。
ARGISの多様なレザーシューズと、トレンドのエッセンスを織り交ぜ、11種のスタイリングをつくりあげた。
look.01



ネッカチーフと眼鏡で、大人の品と知性を
WHITE SOLE 5 EYELETS GIBSONの都会的な革靴のイメージを活かし、ネッカチーフと知的さを演出する眼鏡でシティライクに仕上げた。
街で着るときは、ジャケットをあわせても。
look.02



ネオンカラーを効かせたサファリルック
大人の男性でも差し色として使えば、ネオンカラーも自然に取り入れられる。
look.03



革靴をスニーカー感覚で選び、大人の可愛げを
ショートパンツはサイズ感が重要。自分の脚よりもやや太めのものをチョイスして。
look.04



旬のトラッドテイストを、春らしく軽やかに
ガチャベルトでさりげない抜け感を。ボトムスはチノパンでもOK。
look.05



セットアップ×スケーターブランド、
大人のストリート
BLK&WHTの革靴にあわせてモノトーンの世界でまとめつつ、グレーの半袖ニットとシルバーネックレスで重さを中和。
look.06



ナイロンパーカーとレザーシューズ、
既存のルールを飛び越える
NAVY&WHTという革靴のコンビカラーにあわせ、スラックスも白地×紺ストライプの2トーンに。
look.09



ミリタリーパンツをフォーマルで外す、大人のオフ
テーラージャケットをオーバーサイズ目であわせると、モード感がさらにアップ。
STYLING BY TATSUKI ITAKURA
国内外のファッション誌、カルチャー誌、ミュージシャンのスタイリングを中心に活動。
衣装制作も手がける。CMでは、阪急百貨店、LUCUA OSAKA、HEPFIVE、MINT KOBE、
TORAY、SHARP、Panasonic、Coca-Cola、USJなど。
現代美術家リチャード・プリンスに影響を受けたInstagramでは、セルフコーディネートと
コラージュをMIXさせて、SUPER POPな世界観を表現。フォロワーは現在2.2万人。
-
INSTAGRAM
@tatsuki_itakura
ARGIS 2019 Spring & Summer Collection "MIRROR"